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研究テーマや研究アプローチ、学内外での研究活動、その後の進路など
気象学・気候⼒学分野は,数 km スケールの雲物理学から,シビアストーム等を対象とするメソ・総観気象学,惑星スケールのグローバル気象学までをカバーしていて,異常天候や極端気象現象,気候システムのメカニズムなども幅広く研究しています。
①⼤規模スケール現象では,季節から数年,10 年といった近未来の気候変動の理解や予測,東アジアの異常天候の発⽣メカニズム,モンスーンの変動とテレコネクション(遠隔伝播)の予測可能性、総観規模擾乱活動と⼤規模循環との相互作⽤,⿊潮を中⼼とした中緯度⼤気海洋相互作⽤の研究を⾏っています。また,②中規模スケールの現象では,暴⾵・豪⾬・豪雪をもたらす爆弾低気圧,台⾵,梅⾬期集中豪⾬など,⽇本や東アジアに甚⼤な災害を引き起こす極端気象現象の研究を中⼼に⾏っています。さらに,③⼩規模スケールの現象では,⻯巻などのシビアストームや対流雲内の降⽔粒⼦の形成過程(雲物理),それらの対流雲が集団となって形成されるメソスケール降⽔系の発達・維持機構の研究を⾏っています。
研究⼿法は,数値シミュレーション・データ解析・観測などです。研究室の院⽣と学部 4 年⽣は互いに切磋琢磨しながら⾃分の研究テーマを進めていきます。また,個々の希望に応じて,⾃らの研究とは別に,気象・海洋観測プロジェクトにも積極的に参加し,フィールドワークの貴重な経験を積んでいます。このような経験は⾃然現象に対する直観的理解や洞察に役⽴つと考えています。
3 年後期の演習 II では,学術⽤語の英語表現に習熟するとともに,⼤気科学全般の基礎的理解を進めることを⽬的として,英⽂教科書を輪読します。3 年後期に開講される地球惑星科学実験 IV ⼤気科学演習において流体圏共通の演習を⾏いますので,必ず履修してください。当然ながら 3 年後期「気象学 A・B」も必ず履修してください。4 年では,英⽂教科書の輪読に加えて,データ解析法や Linux マシンの使い⽅など,研究を進めるために必要な基礎⼒を養うともに,⼤学院進学後の研究発展を⾒据えた,具体的な研究テーマに取り組んでいきます。学⽣に対する研究指導は教員 3 ⼈(2025 年度)による共同指導体制をとっています。研究室ゼミでの発表や議論を通して,社会で必須な「問題発⾒・解決能⼒」と「⾃⼰肯定能⼒」を磨いてほしいと願っています。また院⽣中⼼に九州地区⼤学間の学⽣交流(研究室レベルの InterUniversity@Kyushu)を⾏っており,研究のモチベーション向上にも繋がっています。
当研究分野では物理的・応⽤数学的な知識が必要としますが,しかし何よりも重要なことは気象や気候に対する強い好奇⼼と熱意です。たとえ成績がとても優秀でも,興味と熱意が薄ければ成⻑は望めません。多少成績が芳しくなくても好奇⼼と熱意にあふれた学⽣が私たちの研究室の⾨⼾をたたいてくれることを期待しています。
気象学・気候力学分野は,10km スケールの雲物理学から,シビアストーム等を対象とするメソ・総観気象学,惑星スケールのグローバル気象学までをカバーし,また異常気象や気候システムのメカニズムなども幅広く研究を行っています。
まず①大スケールでは,季節から数年,10 年といった近未来の気候変動の理解や予測,東アジアの異常気象の発生メカニズム,モンスーンの変動とテレコネクション(遠隔伝播)の予測可能性、総観規模擾乱活動と大規模循環との相互作用,黒潮を中心とした中緯度大気海洋相互作用の研究を行っています。②中規模スケールの現象では,暴風・豪雨・豪雪をもたらす爆弾低気圧,台風,梅雨期集中豪雨など,甚大な災害を引き起こす極端気象現象の研究を中心に行っています。最後に③小スケールでは,竜巻などのシビアストームや対流雲内の降水粒子の形成過程(雲物理),それらの対流雲が集団となって形成されるメソスケール降水系の発達・維持機構の研究を行っています。
また研究手法は,数値シミュレーション・データ解析・観測などです。学生の希望や適性に合わせて選択してもらっています。研究室の大学院生は互いに切磋琢磨しながら自分の研究テーマを進めていきますが,自分の研究とは別に,積極的に気象・海洋観測プロジェクトに参加し,フィールドワークの貴重な経験を積んでいます(参加は義務ではありません)。このような経験は自然現象に対する直観的理解や洞察に役立つと考えています。
九大大学院理学府地球惑星科学専攻(気象学・気候力学分野)に他大学から入学する学生の多くは,地球科学科や物理学科の出身です。気象学を特に学んでいない学生に対しては,研究室の学部4年生対象に,①大気科学全般の基礎的理解を進めることを目的とした,教科書の輪読,②データ解析法や Linux マシンの使い方など,研究を進めるために必要な基礎力の養成を行っていますので,(必要に応じて)一緒に受講することで気象学その他の知識を補うことができます。その意味で,理工学系や教育系(理科)出身の学生でも特に問題ありません。
修士課程1年後期からは,修士論文を見据えた,具体的な研究テーマの準備に取り組んでいきます。学生に対する研究指導は教員3人による共同指導体制をとっています。研究室ゼミでの発表や議論を通して、社会で必須な「問題発見・解決能力」と「自己肯定能力」など様々なスキルを磨いてほしいと願っています。また大学院生中心に九州地区大学間の学生交流(研究室レベルの InterUniversity@Kyushu)を行っており,研究のモチベーション向上にも繋がっています。ある程度研究成果がまとまってくれば,気象学会や研究集会等に積極的に研究発表するよう encourage しています。海外の国際学会や国際シンポジウムで発表する機会もあるかもしれません。研究発表等で貴重な経験をして,学生は大きな成長をしていきます。
修士課程を修了すると,社会へ羽ばたいていく学生と,専門分野の研究者を目指して博士課程に進学する学生に分かれます。修士課程修了後の就職先としては,気象庁や気象・環境関連企業,電力・交通等のインフラ関連の企業,情報処理関連の企業などに就職しています。また博士課程修了後の就職先としては,大学・法人等の教育研究機関などです。他大学大学院の気象関連研究室所属の院生の就職先とあまり変わりありません。
当研究分野では物理的・応用数学的な知識が必要とされるので,例えば物理学科出身の学生は抵抗なく学んでいくことができると思います。しかし何よりも重要なことは気象や気候に対する強い好奇心と熱意です。大学院で思う存分気象学や気候力学を学んでみたい!という好奇心と熱意にあふれた学生が私たちの研究室の門戸をたたいてくれることを期待しています。
学内外から優秀な資質を持つ多様な学生を受け入れることを目的として、修士課程一般入試とは別に、自己推薦方式による入試も行っていますので、大学院理学府または地球惑星科学専攻のホームページをご覧ください。
大学院入試やその他不明な点があれば,何でも構いませんので,先ずは私たちに遠慮なく連絡を下さい。連絡先は下記の通りです。また受験を考えている方は,是非一度研究室訪問に来てください。単一キャンパスでは国内最大の広さを誇る伊都キャンパスとその中心に位置する理学部棟(ウエスト 1 号館)を見学してみて、その教育研究環境の素晴らしさを実感してもらえるものと思います。また、私たち教員からだけではなく,先輩の大学院生からも参考になる多くの情報を得ることができると思います。
九大伊都キャンパスの玄関口である九大学研都市駅までは、JR 博多駅から約 30 分、福岡空港からは約 35 分のアクセス時間です。
【参考】気象学・気候力学研究室に所属した他大学出身学生の大学・学部名(順不同)
岡山大・理・地球,富山大・理・地球,奈良女子大・理・数物,山口大・理・地球,高知大・理工・地球,熊本大・理・理,鹿児島大・理・物理,佐賀大・理工・物理,立命館大・工・機械,京都産業大・理・宇宙物理気象,福岡大・理・地球ほか
「気候システム研究集会(InterUniversity@Kyushu)」は、主として九州地区の大学において大気や海洋を研究している学生が、互いに研究発表し、草の根交流を深めることによって、視野を多角的に広げ、研究のモチベーションを上げて、活発な意見交換を進めることを目指しています。一緒に海洋・気象観測をする機会もあったりします。2013年度@島原から始まり、5回目の2017年度研究集会@福岡では、福岡大、鹿児島大、熊本大、長崎大、九州大の5大学が参加しました。
(2019年度以降のみ掲載)
■ 博士論文
2023年度
土田 耕:Modulation of internally generated radiative feedbacks and its application for global warming evaluation
2022年度
木下 直樹:Effects of Secondary Ice Production by Ice-Ice Collisions on the Microphysical and Electrical Structures of Snow Clouds in Hokuriku, Japan
2021年度
築地原 匠:Interdecadal explosive cyclone activity associated with winter storm events in Hokkaido, the northernmost island of Japan
2020年度
藤原 圭太:Remote Thermodynamic Impact of the Kuroshio on Tropical Cyclone Development Over the Western North Pacific in Boreal Fall
■ 修士論文
2025年度
石橋 尚澄:夏季日本付近における晴天乱気流発生頻度の年々変動と要因分析
小畑 佑介:福岡平野周辺における夏季局地降雨の発生環境場
室井 清雅:2023年7月秋田豪雨の発生機構の解析
渡守 爽太郎:梅雨期に長崎半島で出現する降水バンドの発生環境場と発生過程
2024年度
大串 湧二:同位体領域気象モデルを用いた2019年8月佐賀豪雨の水蒸気起源の推定
小田 凱翔:中部日本・西日本に大雨をもたらす梅雨期メソ対流系の組織化形態
近藤 亜美:急発達する爆弾低気圧の渦構造に及ぼす本州山岳の力学的影響
丸野 航輔:台風に伴う水蒸気コンベアベルトが熱帯環境場に与える影響
2023年度
井上 弘陽:南岸低気圧による大雪発生時の東京における下層低温化プロセス
井上 壘輝凱:夏のインド洋の昇温がアジア周辺の循環場に与える影響
宇佐美 諒:東シナ海に停滞した2021年台風14号の強度に及ぼすSSTの影響
菅谷 康平:同位体循環モデルを用いたJPCZがもたらす降雪の水蒸気起源の推定
霍見 浩志:超高解像度結合モデルにおける熱帯域の季節内大気海洋相互作用
中村 健人:アンサンブル実験を用いた異なる雲物理スキームによる線状降水帯の再現性の評価
西村 はるか:水蒸気起源から読み解く線状降水帯の発生環境場の形成プロセス
呉 継煒:Tropical cyclone induced remote precipitation over Yangtze River basin during the last stage of Meiyu period
2022年度
宇佐川 達史:冬型気圧配置時に福岡南部で発生する低高度乱気流
下園 高弘:機械学習を用いた九州地方における梅雨期および夏季の降水予測の改善へ向けた試み
竹本 祐太郎:黄海を通過する台風が朝鮮半島周辺海域の海水温と表層流に与えるインパクト
中村 祐貴:フィリピン諸島を横断した台風RAI (2021) の再発達と構造変化
藤井 健:WRF-LESを用いた静岡空港周辺の乱気流シミュレーション
山口 修平:高解像度の大規模アンサンブルデータセットを用いた熱帯低気圧を要因とする降水分布の将来変化の解析
吉田 尚起:梅雨に及ぼす台風の遠隔影響:台風ボーガス実験による評価
和田野 雄大:Super El Ninoが北大西洋とヨーロッパの気候に与える影響
2021年度
川上 真:北太平洋とユーラシア付近の大気海洋の振動が日本の冬季の気温変動に与える影響
鈴木 雄斗:2021年1月の大雪事例で見られた長白山系のカスケード効果
樋田 裕輝:2020年3月28日に奄美大島で発生した突風事例の解析
原 啓喜:水蒸気場変化に対する台風雷活動の応答
安清 莉奈:JPCZおよびそれに関連した豪雪イベントの将来変化
劉 健華:Numerical simulation of an extreme rainfall event in Yangtze River Valley in 2016
2020年度
岩下 将也:下層水蒸気量変化に対する梅雨前線帯低気圧の応答
下村 健太:梅雨期における北西太平洋モンスーントラフの変動プロセスに関する研究
土田 耕:MIROC6 piControl 実験における摂動フィードバックパラメータの変動とそのメカニズム解明
蓑添 良輔:2018年7月豪雨期間中の中国地方の大雨形成に対するメソ渦の寄与
2019年度
木下 直樹:Ice-ice collisionsによる二次氷晶生成過程のパラメタリゼーション開発と北陸雪雲におけるその過程の効果
篠田 裕太:JPCZに伴う日本海沿岸の降水持続性に与える長白山系の力学効果
中島 翼:航空機が低高度で遭遇した乱気流の発生メカニズム
松田 地平:2018年猛暑時の中国・四国地方における熱的局地循環に関する研究
森 茜:北海道近傍を通過する爆弾低気圧の構造変化について
山下 純平:九州西部における地形性線状降水帯の発生過程
米持 哲志:北太平洋上空におけるPDO指数と対応した乱気流発生頻度の変化
劉 若莎:Numerical investigation of an extreme heavy rainfall event in Sichuan, China
■ 卒業論文
2025年度
五十嵐 大真:WRFシミュレーションを用いた2024年11月与論島豪雨における降水発生メカニズムの解析
幸地 秀:2024年8月下旬の静岡豪雨の発生環境場
才木 暢之:2019年10月25日に東関東で発生した豪雨の特徴と環境場
橋本 知龍:惑星境界層スキームがJPCZの振る舞いおよび北陸地方の降水量に及ぼす影響
吉永 美緒:地域別エアロゾルの長期削減に対する夏季ユーラシア偏西風ジェットの感度評価
2024年度
岡野 楽:日本の暖候期から寒候期における気温トレンドの空間的特徴
清水 晶加:2024年7月24日・25日に関東地方で発生したダウンバーストの環境場
辻塚 大樹:梅雨期に九州西方海上で発生するメソ対流系の線状降水帯への発達環境場
中岡 昇大:5kmシミュレーションを用いた九州の気温予測とバイアス補正方法
花岡 龍之介:インド洋、南シナ海および北西太平洋における海面水温の変化が気候場に与える影響
2023年度
小畑 佑介:福岡平野周辺における夏季積乱雲の発生環境場の解析
名倉 涼太:富山空港周辺の低高度乱気流の数値シミュレーション
村田 尚矢:関東平野の夕立の頻度と降水強度に地球温暖化が与える影響
室井 清雅:2023年7月に秋田で発生した豪雨の数値シミュレーション
渡守 爽太郎:2023年6月29日〜7月1日に九州地方で発生した地形性線状降水帯の解析
2022年度
小田 凱翔:梅雨期の日本中西部に大雨をもたらすメソ対流系の組織形態分類
近藤 亜美:日本海で発達する爆弾低気圧の北海道近傍における構造変化
立花 幹太:ラニーニャ現象が複数年継続する要因分析
丸野 航輔:北西太平洋における熱帯低気圧と環境場の相互作用
山田 由佳:梅雨期に長江下流域付近を通過し九州に大雨をもたらす低気圧の特徴
2021年度
井上 弘陽:爆弾低気圧中心付近で記録的短時間大雨をもたらした降水システムの解析
井上 壘輝凱:太平洋十年規模振動が顕著な年を対象にした台風の長期変動の解析
宇佐美 諒:2021年台風14号の東シナ海での停滞および再強化について
中村 健人:極端降水現象の再現における雲微物理スキームについての一考察
西村 はるか:同位体領域気象モデルを用いた2021年梅雨期の水蒸気分布の動態
2020年度
宇佐川 達史:冬型気圧配置時に低高度で航空機が遭遇した乱気流の発生メカニズム
中村 祐貴:令和2年熊本豪雨の発生要因の研究:メソ低気圧の発生と発達
藤井 健:2017年10月22日に航空機事故を引き起こした乱気流の発生過程
山口 修平:夏季の九州における集中豪雨頻度の温暖化に伴う変化
吉田 尚起:台風ボーガスを用いた7月気候場シミュレーションによる台風の遠隔影響の研究
2019年度
鈴木 雄斗:朝鮮半島南東部で発生・発達したポーラーロウの解析
原 啓喜:台風において雷が観測されるときの大気環境場
原井 大地:急発達する台風の環境場の季節依存性
安清 莉奈:北海道に暴風雪をもたらす爆弾低気圧の強風の特徴
(川村名誉教授から)
平成29年7月九州北部豪雨の発生環境場の解明[H29年度科研費特別研究促進費報告書から抜粋](PDF)
東日本の少雪をもたらす大気循環とその要因(PDF)